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心理学部の専門科目「マーケティングと心理学」では、商品が生まれて消費者の手に渡るまでのプロセスに人や心の関与を見つけ、心理学をビジネスに

生かす力を養います。この科目では、さまざまな企業の専門家（現役、OB）による特別講義として、研究開発・プロモーション・経営・社会貢献など企

業活動の実際をご紹介いただきます。

 

今年度第６回の特別講義は、前渕元宏先生（尚絅大学生活科学部准教授、前・不二製油株式会社開発企画研究室、博士（学術））を講師にお迎えしまし

た。先生には、「健康食品と心理学―脳機能改善食品の研究開発を中心に―」と題して、大豆ペプチドを機能性表示食品（認知機能の維持）の研究開発

の事例をご紹介いただきました。お客様の声から機能性の科学的評価までの研究戦略はもちろん、ヒトの認知機能の心理学的評価デザインや脳波計測に

よる大豆ペプチド摂取の効果の検証、さらに研究の日々の苦労話まで、楽しい語り口でご披露くださいました。先生からは、「脳機能改善食品研究の難

しさは、脳というハードではなく、精神というソフトを扱う点で他の機能性食品の評価より難しい」と、心理面の評価方法について問題提起がありまし

た。学生たちは、ヒトを対象にした実験計画法や神経伝達物質など心理学の基礎知識が身近な健康食品の開発にも活用されることに驚きながらも、専門

的な学びの重要性を再確認する機会にしました。

 

今年度お招きした先生方が口をそろえて仰っていたのは「マーケティングに携わるようになって、心理学を学んでおけばよかった！とつくづく思ってい

る」というお言葉でした。まだ見ぬお客様の気持ちを摑むために、マーケティングの現場では心理学に大いに期待を寄せておられることで、この分野の

可能性が益々楽しみになりました。

 

今年度、ご多忙にもかかわらず貴重なお話をご披露いただきました6名の先生方に、改めまして厚く御礼申し上げます。

ありがとうございました。