教員紹介2021.10.25

【教員紹介】栄養学部フードデザイン学科 教授 盛本 浩二 先生を紹介します

栄養学部フードデザイン学科 食品衛生学分野担当

 

教授 盛本浩二

私は、昨年の4月に甲子園大学に来ました。それまでは、製薬企業、大学の医学系の分野で、教育・研究活動をしていました。

医学研究では、免疫疾患、神経疾患、固形癌など様々な分野で研究を行ってきました。特に癌研究においては、癌幹細胞の研究に力を入れてきました。

幹細胞は自分自身を複製する「自己複製能」と、異なる性質の細胞に分化する「多分化能」を併せ持つ細胞で、組織や臓器の維持に密接に関与しています。同様に、癌幹細胞は、癌組織をつくる「親」になる細胞であるため、癌を根絶するには癌幹細胞を排除する必要があると考えられ、現行の抗癌治療の大半は、分化した癌細胞を標的として開発されており、癌幹細胞に対してはあまり効果が無い可能性が指摘されています。抗癌剤治療によって腫瘍が縮小しても、多くは一時的な縮小であって、癌幹細胞が生き残っているかぎり、いずれ再増殖します。

最近の研究では、癌幹細胞のマーカーを見いだす研究が行われ、様々な因子がマーカー候補として挙げられてきましたが、未だ癌幹細胞を同定するに至っていません。癌幹細胞は①増殖速度が遅い、②薬剤排出能力が高い、③免疫抑制物質を分泌する、④酸化ストレスを抑制する能力が高い、という特徴を持っています。これら4つの特徴を癌幹細胞マーカー探索の基盤とし、新たなマーカーの発見を目標の一つとした研究を行ってきました。

 甲子園大学では、これまで得た知識を生かし、様々な大学や研究機関と共同研究で、癌マーカーの探索・創薬・治療をテーマに癌研究を行っています。

 

・日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP496792_Y8A121C1000000/

・乳がん治療と乳房再建の情報ファイル

http://nyugan-file.jp/news/2019/002561.html

発信部署:栄養学部