お知らせ2019.11.13

【お知らせ】近畿製粉の常務取締役・工場長の佐藤亘先生が「食品デザイナー論Ⅱ・食品開発論」で講義を行いました

あなたが考案した食品が商品化され店頭に並び、消費者に「食」の幸せを届ける――本学栄養学部はそんな夢を強力にサポートします。そのひとつとして、著名な食品企業の第一線で活躍する方々を招いて、食品開発の現場を紹介する「食品デザイナー論Ⅱ・食品開発論」という特別講義があります。
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第5回講演会は11月11日です。常に一定の品質の不純物のない小麦粉を届けてくれる近畿製粉株式会社より常務取締役・工場長の佐藤亘先生をお招きしました。私たちはパンや麺類、ケーキなど小麦粉を使った食品をほとんど毎日食べています。ところが、小麦粉については知らないことがたくさんあります。今回は小麦粉について小麦のサンプルも見せてもらいながら、しっかりと教えていただきました。
日本国内で使われている小麦粉はほとんどが輸入品で国内自給率はなんと12%。主にアメリカ、カナダ、オーストラリアから輸入しています。日本人の小麦の消費量は年間一人32kg程度ですが、毎年少しずつ減少しているとのことでした。それに対して、米の年間消費量は54kg程度です。
輸入小麦は品種ごとに名前がついています。例えば、アメリカ産は「ハード・レッド・ウインター」という硬くて赤みを帯びていて冬に種がまかれる品種がある――と聞いて名前のカッコよさに驚きました。
小麦に水を加えてこねると、粘り気のあるモチモチした生地になります。これは小麦粉中のタンパク質がグルテンと呼ばれる網目構造のタンパク質に変化するからです。穀物のなかでグルテンが出来るのは小麦粉だけです。この粘り気によって、パン酵母が出す炭酸ガスが生地のなかに閉じ込められて、パンはふっくらと膨らむ、と教えていただきました。
海外で小麦が収穫され、日本に船で運ばれ、日本の製粉工場で小麦粉に加工されて出荷される、そうした一連の流れを見せていただき、とても勉強になりました。
佐藤先生、ありがとうございました。

発信部署:事務局