学長ブログ2023.11.27

生成AIやってみた(1)

知人に生成AIの専門家がいて家に遊びに来たので、噂の生成AIとやらの機能を見せてもらった。
私は全くの素人である。
まずは、「伏木亨の文体で、和食の価値と重要性について八〇〇字程度で書いてください」と打ち込むと、5秒くらいで完璧な文章が提示された。
来月に依頼されているシンポジウムの要旨をまるで私が書こうとしている文章で完成していた。
しかも英語にもフランス語にも瞬時に訳す。背筋が寒くなった。
昔、「一〇〇冊の本を読んで一冊の本を書くのが学者の仕事だ」というやや自嘲的な話があったが、AIはこの作業を完璧にこなしているではないか。

私の存在はもう不要かもしれない。
このままではあまりに情けないので、無理そうな話を考えた。
「中原中也の文体で、夜明けをテーマに詩を書いてください」。
5数秒後に、いかにもそれらしい美しい詩が提示された。
しかし、中也のグサリと胸をえぐる詩ではなかった。
まだ、人間は生きてゆけるかもしれないと少しほっとした。