学長ブログ2023.10.23

うま味の相乗効果

うま味を研究しているのでうま味の相乗効果について研究者やマスコミ関係者から問われることが多い。
うま味の相乗効果とはグルタミン酸などのアミノ酸のうま味とイノシン酸などの核酸系のうま味が同時に存在する場合に、
足し合わされたうま味の強さが単なる足し算ではなくて何倍にも強化される現象のことをいう。
これが何倍になるかという数字は条件によって異なる。

かつて、うま味を研究していた研究者が、グルタミン酸のうま味を味わった後で、水で口をすすぐのを忘れてイノシン酸を続いて口に含んだところ、
予想していたよりもはるかに強烈な旨みを感じた。
これが相乗効果発見の裏話であるという。

新しい事実の発見には偶然のラッキーが必要である。
しかし、これが相乗効果であると気づくためには相当な眼力も必要なのである。
誰もが真似のできることではない。