学長ブログ2023.10.16

消え去ること水の如し

先日、滋賀県の大津市で栄養とスポーツ関係の学会があった。
白熱した研究発表や討論が終わり、夜は参加者による恒例の交流パーティーが行われた。
主催者である大会会長の料理と酒のセンスが発揮される。

滋賀県で開催されたこともあって、滋賀県出身の大会会長が選んだ近江の酒がずらりと並べられた。
滋賀は屈指の酒どころだけあって、並べられた酒の質は高い。
食品研究に携わるものとしては、ついつい分析的に味わってしまうのが業である。
味わいが深いながらも爽快に消えてくれる酒が多い。
その中でも、有名な幾つかの銘柄は、まさに味わいが舌の先1センチで真空状態のように消えてしまうキレの良さがあった。
まさに「良い酒は水の如し」である。
酒の出展者を懇親会参加者数名が囲んで「滋賀の酒はどれも素晴らしい」と呻りながら杯を重ねた。
北は豪雪地帯、南西は大阪や京都に接している滋賀県は、地域によって気候の違いが顕著であり酒のバリエーションも豊かである。
スポーツと栄養の学会であったが、風土と酒で盛り上がった学会交流会であった。