学長ブログ2023.07.24

国境の豪雪が産んだ高級昆布

甲子園大学では、学園祭やオープンキャンパスなど学外からのお客を迎える行事の際には、料亭仕様のダシをふるまうイベントを用意している。
これが好評である。

料亭仕様とは、出汁の引きかたや材料に京料理の老舗料亭の指導を受けているから。
特に出汁の重要な決め手である昆布は北海道産の高級な昆布を取り寄せている。
高級な昆布は、福井県の昆布問屋の蔵で数年間保存されてから京都に届けられる。
一番出汁には上品な利尻昆布、煮ものには力強い真昆布などと使い分ける店もある。

老舗の昆布問屋のご主人に聞くと、江戸時代には北前船で福井県の敦賀港に水揚げされた北海道の昆布は滋賀県の琵琶湖の水運を使って京都に運ばれていた。
ところが福井と滋賀の県境はスキー場があるほどの豪雪地帯である。
大雪が降ると春まで輸送は止まる。
この間に敦賀で足止めされた昆布が保存中に熟成され非常に美味しく変化したことが、今日の2年もの、3年ものの高級昆布を産んだ。
その味わいがまろやかで香りに品位があり、試飲した学生の歓声が上がった。