お知らせ2022.04.6

甲子園大学学長 佐久間 春夫 より新入生の皆さんへのご挨拶

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、保護者の皆様方、関係者の皆様方にも心よりお祝い申し上げます。,

本学院・大学教職員一同は、満開の桜とともに今日のこの日を心待ちにしておりました。本来なら多数のご来賓、保護者の方々にご臨席いただき、共に祝いたいところではありますが、一昨年来の新型コロナウィルス感染症の影響により実現できなかったことは誠に残念であります。しかしながら、皆様におかれましてはご入学のお喜びはひとしおかと拝察いたします。

 

本学院は今日では幼稚園から大学院博士課程まで有する総合学院として校祖久米長八先生が創設されて以来、まもなく創立80周年を迎えます。多くの卒業生は建学の精神である黽勉努力・和衷協同・至誠一貫を体現し、社会の様々な分野でそれぞれの専門性を活かし、活躍しております。また、大学は、栄養学部、心理学部のそれぞれの特色と使命を活かし、心身の健康を支える総合大学として、伝統でもある少人数教育の利点を生かし、For the Studentsをモットーに丁寧な教育と面倒見の良い就職支援を基に、学生成長力No.1を目指し、教職員一体となって社会の先導役となりうる人材の育成に努力しております。

 

さて、今日から皆さんは生徒でなく、我が国の高等教育課程に学ぶ学生です。これまでの学びが“正解”が先にあってそこにたどり着く方法を学ぶ “勉強“であったのに対し、大学での学びは、自ら考える過程で解を創り上げていく探求と創造の世界に入っていく事が求められます。すなわち、主体的に継続的に“どう学ぶのか“が問われます。よく人生には予定調和などはない、といわれているように、今日の私達を取り巻く社会は、パンデミックの混乱、地球の温暖化といった環境破壊、ロシアのウクライナ侵攻など激動の時代を迎えています。人間とは、社会とは、また、どうあるべきかなどについての諸課題についての思索と行動を、これから始まる大学での学びによって自らの”解“をみなさんで見出していってほしいと願っています。

 

これから始まる4年間の大学生活がスタートするに当たり、新入生の皆さんの本学での活躍を期待し、是非心がけてほしいこととして、“何事にも勇気をもって自ら挑んで欲しい”と願っています。“挑戦”は自分自身を成長させ、さらなる可能性を広げてくれます。挑戦には失敗の不安が伴いますが、それを恐れては成長はありません。挑戦しなかった後悔はいつまでも残ります。受け身ではなく、自ら第一歩を踏み出す勇気を望みます。皆さんもご存じのアップル社の設立者Steven Paul Jobsは、幾多の失敗、挫折経験にもめげずに多くのヒット商品を世に送り出しました。彼が2005年のスタンフォード大学卒業式でのスピーチでStay hungryStay foolish!と繰り返した大変に印象深いフレーズは、事をなす上で大切な心構えを説いているものといえます。恵まれない環境を嘆くのでなく、貪欲にそして考え、工夫し、愚直なまでにやり通すことの強い意志と挑戦することの重要性を意味するものと思います。学生時代は人生の中で時間を自由に使える大変に贅沢で貴重な時代でもあります。若い活力に満ちた4年間で様々なことにチャレンジをする、その失敗や成功経験から自分を成長させるきっかけをつかむことができます。

 

一方、学生時代は4年間と時間的に限られております。“人生は時間でできている”(Benjamin Franklin)とか、“時間とは生活そのもの。そして人間の生きる生活はその人の心の中にある”(Michael Andreas Helmuth Ende)と言われているように時間は主観的なものであることは皆さんも経験されていることでしょう。1日24時間は皆等しく享受していますが、その24時間を10時間程度にしか使えない一方、30時間にも40時間にも使えるのが人の特徴でもあります。そのような意味では時間は自分達が作り上げているのかも知れません。

時間を有効に、実りあるものとするためには、やりたいこと、すべきこと、できることの3つをしっかりと考え、時間的にも折り合いをつける努力をしなければなりません。そして日々学ぶことの喜び、楽しみを感じ「大学は楽しい、面白い」ということを発見してもらいたいと願っております。

 

最後となりましたが、保護者の皆様にお願いがあります。ご子弟を4年間確かにお預かりしました。同時に、保護者の方々にも本学に入学していただきたいと願っております。学生の成長のために、学生、保護者、教職員、同窓生が一体となり、甲子園ファミリーの一員として本学、本学院に対しましてご理解を賜り、さらなる発展にご尽力いただきたいと切にお願い申し上げ、私の式辞といたします。ようこそ甲子園大学へ。

 

令和446

   学長 佐久間春夫

発信部署:事務局