授業紹介2020.09.15

【授業やゼミを紹介します】栄養学部栄養学科「生理学実習」/助教 吉岡正浩

生理学実習では、様々な専門機器を使用して、身体のはたらきについて学習します。
8月4日は、特別講師にも御協力頂き、「口腔機能と誤嚥防止のためのとろみ材」についての実習が行われました。この実習の背景には、加齢や疾病により口腔機能が低下し、食べ物・飲み物がうまく飲み込めない人が多くなっていることや、食べ物がうまく飲み込めずに気管に入ることで誤嚥性肺炎が多発している日本の現状があります。とろみ材は飲み物などにとろみを付けることで誤嚥(飲食物が誤って気管に入ること)を防止するためのものです。これらは国家試験においても頻出の重要事項です。
 実習前半では嚥下能(食べ物などを飲み込む力)評価の体験が行われ、口腔状態のチェック法や口腔機能を回復させる訓練について学習しました。続いて一人目の特別講師、臨床現場で管理栄養士として多くの経験をお持ちの市橋准教授に「管理栄養士による嚥下食ととろみ材」について講義をしていただきました。
 実習後半には、学生自身の手でとろみ材を緑茶に加える体験が行われ、続いて特別講師の株式会社アペックス様による「とろみ自動調理サーバー」のデモンストレーションが行われました。自動調理サーバーにより「薄いとろみ」、「中間のとろみ」、「濃いとろみ」の3段階のとろみが付けられた緑茶が次々とできあがり、学生は自分たちの手でとろみを付けたお茶と飲み比べを行いました。「自分でとろみ材を混ぜると時間がかかったり、ダマが出来たりするけど、自動調理機は早く調理することができ、しかも均一になっていた」、「高齢化が進む日本で、広く普及してほしい」などの感想があり、学生は実体験を通じて深い学びを得ることができました。

発信部署:事務局